当院で扱う主な月経異常
- 月経不順
- 月経痛・月経困難症
- 月経量の異常
- 月経前症候群(PMS) など
月経不順
月経の正常な周期は25日以上38日以内です。言い換えますと、毎月きちんとした間隔で起こる必要はありません。しかし、常に39日以上の間隔で月経になる、あるいは24日以内で月経があった場合は問題になります。具体的には以下のような場合があります。
- 稀発月経・・・40日以上90日未満の間隔で月経が来る場合
- 頻発月経・・・月経周期が24日以内の場合
このような場合、卵巣の働きが不十分なために排卵が順調に行われていない場合や卵巣ホルモンの低下が原因であることが考えらえますので、お早めにご相談ください。
続発性無月経
これまで順調にあった月経が90日以上来ない場合(妊娠中、産褥期、閉経後を除く)を、「続発性無月経」と言います。過度のダイエット、肥満、ストレスや環境の変化によって起きる場合があります。多くの場合、女性ホルモンが低下しる可能性が考えられます。この状態を放置すると、月経が再開しにくくなり、再開したとしても妊娠がしにくくなる場合もあります。無月経の期間が3ヵ月以上続いたら、お早めにご受診ください。
原発性無月経
18歳を過ぎても月経が一度もない状態を、「原発性無月経」と言います。月経は14歳までに約98%くるとされています。そのため、15歳を過ぎても月経がこない場合は婦人科受診をお勧めします。
月経痛・月経困難症
月経痛とは、月経時にお腹の下あたりに痛みが起こっている状態です。月経困難症とは月経時あるいは月経直前より始まる強い下腹部痛(月経痛)を主症状として、ほかに腰痛、腹部膨満感、嘔気、頭痛、疲労・脱力感。食欲不振、イライラ、下痢、憂うつなどの症状のことです。
月経痛が起こる原因は、機能性月経痛と器質性月経痛に分かれます。このうち機能性月経痛は、子宮が十分に成長していない10~20代の若い女性に多くみられます。多くの場合、子宮頚管が狭く、月経血が通りにくい状態なので、子宮自体が血液を押し出そうとする際に痛みが強まります。これに対し、器質性月経痛は、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症などの病気が原因で発症します。30歳以上の女性にみられることが多いですが、最近では20歳代での子宮内膜症も増加しています。そのため、月経時に痛み止めなどの薬を服用しなければならない程度の症状をお持ちの方は早めに受診をお勧めします。治療方法は原因に応じて行いますが、年齢や症状の程度、患者さまのご希望も考慮いたします。
月経量の異常
月経量の異常には、過多月経と過少月経があります。このうち「過多月経」は、月経時の正常な経血量とされる量よりも多く出血している状態です。一般的なナプキンが2時間もつことがない、レバー状の血の塊がみられるときは過多月経だと考えられます。この場合、貧血となっていることがあり、また子宮筋腫や子宮腺筋症といった婦人科系疾患、血液凝固障害といった病気が潜んでいることもあります。一方、月経時の正常な経血量よりも少ない出血量のときは「過少月経」となります。この場合は、女性ホルモンの低下や子宮内膜炎、甲状腺機能低下といったことが原因で起きることもありますので、お早めにご相談にお越しください。
月経前症候群(月経前緊張症/PMS)
月経前症候群とは月経の1~2週間前から心や体の不調が起こり、月経開始とともにその症状が軽くなったりなくなるものをいいます。具体的には、頭痛、倦怠感、首や肩の凝り、立ちくらみ、めまい、乳房の張り、肌荒れ、下腹部の痛み、下肢のむくみ、イライラ感、抑うつ、不眠、無気力、集中力の低下などの症状に悩まされます。詳しい原因は特定されていませんが、主に月経周期に伴うホルモンバランスの変化が影響しているのではないかと考えられています。治療は、低用量ピル、抗うつ剤、漢方薬、サプリメントなど患者さまの症状や年齢、ご希望に応じ考慮させていただきます。